前にも剛の寝顔を見たことがある。


あのときは二人で一緒に寝てしまって、目覚めたときに、すぐ間近で寝顔を見たんだっけ・・・。


今日もあのときのようにメガネをかけたまま、眠ってしまっている。


メガネが鼻の上から、ずれ落ちかかっている。



わたしの胸に、ふいに好奇心が湧いてきた。


剛の顔から、メガネを取ったら、どんな顔になるんだろう・・・。


どんな顔になるのか見てみたい・・・。



わたしは剛に忍び寄ると、そっと彼の顔からメガネを取り去った。


そして彼の顔を覗き込んだ。



メガネを取った剛の顔は・・・、


想像していたより、ずっとかっこよかった。


普段メガネをかけているときより、かけていないときのほうが、断然、魅力的だ。


世の中には、メガネのほうが似合う人とそうでない人がいるけれど、剛は後者のほうだ。



惚れ惚れとしながら、剛の顔を見つめていたとき、ふいに剛が目を開けた。


剛の目が、わたしの目を見る。


わたしはどきっとして、慌てて剛のそばからはなれた。