「でもどうして?」


「彼氏が一日学校さぼって、遊ぼうって言ったから・・・。」


「ねぇ、麻里奈、言っておきたいんだけど・・・、あいつはやめといたほうがいいよ。あいつ、色々と変な噂あるし。」


梓がそう言い終わらないうちに、麻里奈は声を上げた。


「わたしの彼氏の悪口言わないでよ!!」


「麻里奈・・・。」


わたしと梓は目を丸くして、麻里奈を見つめた。


麻里奈がこんなふうに、声を荒げるのを見たのは初めてだった。




「わたしは彼氏のこと愛してるし、彼氏だってわたしのこと愛してくれてるの。あんたたちには、関係ないでしょ!!」


麻里奈は怒った顔でそう言うと、わたしたちをその場に残して、足早に立ち去っていった。



あんなに怒った麻里奈の顔を見たのは、初めてだった。


わたしたちは、どうしたらいいのか分からず、顔を見合わせた。




「麻里奈のほうは、かなり本気みたいだけど・・・、でもあいつのほうは、ただの遊びとしか思ってないんじゃないかな・・・。」


梓はため息をつくと、そう言った。


「心配だよね・・・。わたしたちが言っても、どうしようもなさそうだし・・・。」


わたしもため息をついた。




そしてわたしたちの心配は、その後的中することになる。