翌日はいつもどおり、麻里奈は高校に登校してきた。


休み時間に、わたしと梓は麻里奈の席に行った。


「ちょっと、聞きたいことあるんだけど・・・。」


「今、いいかな・・・?」


わたしたちはそう言って、麻里奈を教室の外へと連れ出した。




人目につかないところまでやってくると、梓は麻里奈にこう問いかけた。


「ねぇ、麻里奈、きのうは、どうして学校休んだの?」


「具合が悪かったから・・・。」


麻里奈は小声でそう答えた。


「でもわたしたちきのう、麻里奈が男の子と歩いてるところ、見ちゃったの・・・。」


わたしがそう言ったとたん、麻里奈の表情が急に変わった。


「先生には言わないで。もちろん親にも・・・。」


麻里奈は早口で、わたしと梓に言った。


「じゃあ、嘘ついて学校休んだの?」


梓はたずねた。


麻里奈は小さくうなずいた。