「有名って?」


「中学一のイケメンとして有名だったんだけど、でもそれだけじゃなかった。」


梓はつづけた。


「あいつ、女を落とすのがうまいことでも有名だったんだ。あいつのクラスの女子のほとんどは、あいつと一度は関係を持ったらしいよ。

それでね、浮気も半端じゃなくて、二又、三又ならましなほうで、ときには十又くらいしたこともあったんだって。

何人の女を口説き落としたとか、何人の女と寝たとか、そんなことを学校中の男子に自慢してたらしい。」



「それって、ひどーい。見た目はあんなに真面目そうなのに・・・。」



「真面目そうなのは、見た目だけ。中身は、ただの遊び人だよ。だから顔と見た目の雰囲気にだまされて、付き合う子は大勢いたよ。」



「麻里奈、大丈夫かな・・・。」


わたしは梓の話を聞いて、麻里奈のことが心配になってきた。


「だまされてなきゃいいけど・・・。」


梓も心配そうに言った。


「あの感じからして、どう見ても付き合ってる感じだったよね・・・。」


「うん、そう見えた。」


「麻里奈って繊細だし、もしだまされてたら、すごい傷つくと思う・・・。」


「あした、麻里奈と話してみよう。それで直接、あいつはやめといたほうがいいって、伝えるべきだと思う。」


「もしかして、今日学校休んだのも、あの男の子と関係があるのかなぁ。」


「可能性大だね。」