ルイは瞳に光を灯し、強く団長を睨み上げた。
その眼光の鋭さに、団長は自分へと一直線に飛んでくる矢を連想した。

「貴方のものになんか、ならない!」

吐き捨てるように言い、ルイは怖じ気付くことなく声を張り上げた。

「アデルさん以外は私にとって虫と大差ないわ。小さな虫を気に掛けるなんて馬鹿げてる!」

虫扱いされた団長の額に青筋が浮かぶ。
辛うじて笑みを保った唇は小刻みに震えていた。

「生意気な小娘が……!」

「っ!?」

団長の動きは乱暴という言葉そのものだった。
ルイの上着を力付くで剥ぎ取り、その若々しい肌を月明かりに晒した。
驚きに目を見開くルイに、冷酷な笑みを向ける。

「初めてなわけがないだろう?あのアデルが相手で」

不躾な視線がルイの身体の上を舐め回していく。
拘束された腕では、隠すこともできなかった。
その視線は品定めをするかのようで、ルイの不快感が増す。

小振りな胸、滑らかな肩、引き締まった手足、と動き回っていた視線は下腹部で止まる。
にたりと笑い、団長はルイの腹を撫でた。

「さぞかし大切に抱かれているんだろうなぁ」

アデルの大切なものを壊してしまいたい。
団長の言葉にはその意志が隠れることなく乗せられていた。