「お前を差し出すことで身の保身と俺に対する忠誠を証明したんだ。ジョシュアはアデルなどより随分賢いと思わないか?」
「貴方ごときに媚びへつらう理由はアデルさんにはないわ!アデルさんは貴方なんかよりも、ずっと賢くて強いんだから!!」
ルイはなるべく団長の怒りを誘うような言葉を選ぶ。
冷静な判断力を持っていては困るのだ。
団長はルイの思惑通りに眉をしかめ、口角を吊り上げた。
身の危険を感じさせる笑みに、ルイは背筋を凍らせる。
「アデルの想い人というのは嘘ではなさそうだな……」
「や……嫌っ!!」
団長はルイが抵抗出来ないのをいいことに、ルイの服に手を掛けた。
アデルの時は恥ずかしくて嫌だったのに、今はただ気持ちが悪い。
身体を虫が蠢くような不快感に、ルイは身じろぎして逃れようとした。