「私に情報を流してくださった方が、言っていました」

メルディ軍に協力するということは、シェーダ国を裏切ることに等しい。
だが、このままでは村は蓄えを失い疲弊していくだろう。
待っているのは、悪逆非道な領主による制裁。

村を守るためには、抗うしか道はない。
抗うしかないのなら、何も自ら武器を持つことだけが手段ではない。
情報を武器に貴族社会を乗り越えてきた貴族もいるではないか。

「イアン王は信頼に値する方だ。もしも助力を求めてきたら疑う必要はない、と」

そしてその貴族たちからの情報に嘘偽りがあったことはない。
そこで村長はイアンに手を差し出した。

「私も、この村を守りたい。全力で貴方たちをバックアップさせていただきます」

「ありがとうございます」

二人は力強い握手を交わした。
この時、間接的にだが、メルディ軍とシェーダ反乱部隊はようやく手を結んだのであった。