「デモンドの関わりが明らかになる証拠が見つかった場合、俺たちはいつまでもここには残らず、速やかに、そして尚且つ派手にメルディ軍へ合流しようと思う」

「派手に?」

怪訝そうに眉をしかめたジョシュアに向けて、アデルは頷いた。

「派手に、だ。城下町の市民たちがわかるほどはっきりと、俺たちはシェーダを裏切って見せる」

「そんなことしたら、私たちの立場が悪くなるだけじゃない」

「普段ならばそうだろうな」

ノルンの指摘はもっともであったが、アデルには考えがあった。
シェーダ国を裏切っても、民たちが非難せずむしろ味方に付くような可能性。
現在のシェーダ国の状況ならば、その可能性が高く見いだせる。

「あ、反乱……!」

ルイの小さな呟きに、部屋の視線は一斉にルイに集中した。
驚き、疑問、感心。
主に三つの視線を向けられ、ルイは体を小さくした。

「えっと、現在のシェーダ国の内情は荒れていますよね?」

確認の意味を籠めた疑問に、この中では最も内情に詳しいノルンが頷いた。