ぴくぴくと頬の筋肉が、アデルの意志とは無関係に動く。
半笑いの表情になりつつもアデルは咳払いすると、柔らかな微笑と共に全員へ目を向けた。

「メルディ軍の協力は確定だ。まぁ、問題は証拠のほうだがな」

「そうは言いつつも、作戦は浮かんでいるのでしょう?」

隣でジョシュアがにやりと笑う。
アデルはつられて笑う気は起きず、神妙な顔つきで頷いた。

「あぁ、ある。現在考えられる中で最も理想的で、一番取りたくない方法がな……」

歯切れの悪いアデルの様子に、ノルンは首を傾げた。
作戦に自信がないというわけではないようだった。
だが、沈んだ声には隠しようがない不安が滲み出ている。
アデルは作戦の内容には触れずに、自身の考えを口にする。