あっさりとノルンの協力を受け入れたので、逆にノルンは不気味に感じた。

「……いつもの張り合いはどこに消えたのかしら?」

「お望みならば、張り合ってやるが意味はないだろう」

伏せていた目蓋を持ち上げ、アデルは正面のルイへと微笑を浮かべた。

「一人でやろうとしたら、こいつが怒る」

肩を竦めたアデルに対し、ルイは大きく頷いた。

「当たり前です。一人で何でもなんて出来るわけないんですから」

アデルの隣では、ジョシュアが腕を組みくつくつと笑っていた。

「私の忠告は聞かなかったのに、彼女の言葉には随分と素直ですね」

恨みがましく横目でアデルを見つめると、ジョシュアは口角を吊り上げ不敵に笑んだ。

「私にはノルン嬢のような信念はありませんが……そうですね、貴方の副官だからという理由はいかがでしょう?」

ジョシュアの考えていることが読めないのは、いつものことであった。