焼きたてのパンと温かいスープが目の前に置かれ、サラダやハムが中央に置かれた。
そして、バターと苺を潰したジャムが用意されていた。
ルイの隣の席に、当然のようにアデルが座る。
そして、その正面にルークが腰を下ろすと、アデルは少年のように笑った。
「さて、食え」
「「いただきます!」」
ルイとルークが声を合わせて、ジョシュアは手を合わせ軽く頭を下げた。
早く王都へ付くために急いで進軍したため、ここ数日の食事は固形栄養食ばかりであった。
まだ騎士としては新人なルイには、精神的に辛いものがあった。
慣れているジョシュアでさえ、パンやスープに喜んでいる様子であったから、ルイには断食後にご馳走を並べられたに等しいだろう。
「何か付けるか?」
「え?えっと……」
アデルに声を掛けられ、ルイはテーブルのバターとジャムを見比べた。
迷ってる様子のルイに、アデルは意地悪く微笑んだ。
「バターもジャムも手作りだぞ」
「え!アデルさんがですか?」
「バターはノルンだ」
知り合いの手作りとなれば、余計に美味しそうに感じる気がする。
ルイは難しい顔で、二つを見比べていた。