だが、決めるのはルイだ。
行くな、と止めたい気持ちを押し込め、ライラは横目でルイの様子を窺った。
ルイはただ、真っ直ぐにジョシュアの言葉へ耳を傾けていた。

「ですが、私程度からの奇襲にも対応出来ないようでしたら、連れていっても役立たずだと思ったので、失礼ながら試させて頂きました」

「もしも私が貴方の矢からライラを守れなかったら、貴方は私たちの前に姿を現すことはしなかったでしょうね?」

確かめるために尋ねた言葉に、ジョシュアは頷く。
少しばかり驚いた様子なのは、ルイに見抜かれたことに対するものだろう。

「初めは、貴方を利用するつもりでした。……ですが、先程のアデルに対する言葉を聞いた今では、利用ではなく協力したいと思います」

「協力……?」

眉をしかめたライラに向けて、ジョシュアはにっこりと微笑んでみせた。

「私の全ての力を以て、彼女を無傷でアデルへと引き渡しましょう」

何が決め手になったのか。
はっきりとしたものはルイにはわからなかった。
だが、ルイの心は初めから決まっていたのだ。