大切な人から駒扱いされて平気なわけがない。
そう思っていたジョシュアは、次のルイの言葉に、返す言葉を失ってしまう。

「駒でも、構いませんよ。私を頼ってくれるなら、何でもいいです」

無理のない強気な笑みは、アデルによく似ていて堂々としている。
駒でもいい、と少女は言った。
迷いも躊躇いもなく、言うのだ。

「利用してくれて、いいんです。一人ではなくて、もっと、私を使えばいいんです」

強く吐き出された言葉に込められた、小さな怒り。
一人で抱え込むアデルが、ルイは許せなかった。
そして、アデルに対して同じ気持ちを抱くジョシュアも、ルイの言葉に彼女の怒りを察する。

察してしまえば、協力したくなる。