わざわざ敵の前に姿を現し、作戦を教えるジョシュアの意図が掴めない。
初めに攻撃を仕掛けてきたのは、彼。
信用しろと言われても難しい。

これも、アデルの策だろうか。
疑いの眼差しを、ルイは送る。

「何か聞きたいことでも?」

涼しい顔で微笑むジョシュアに、ルイはゆっくりと口を開いた。

「…………アデルさんのところへ、連れていってください」

そう言って、ルイは弓を下ろした。
武器を下ろしたルイに、ジョシュアは驚きを隠せず片眉を持ち上げる。
その言葉が出ることは予想外ではなかったが、武器を下ろすとは思わなかったのだ。

「会ってどうするのですか?」

「話を聞きたいんです」

ルイを馬鹿にするような響きの中でも、彼女の声には揺れがなく透き通っていた。

「何を考え、何のために一人戦おうとしているのか、聞き出したいんです」

「それで?」

「力になります」

ジョシュアは目を丸くし、何度もまばたきを繰り返した。
そして、作り笑いを浮かべた。
そうしないと、迷いのない空色の瞳の純粋さに、気圧されてしまいそうで。