アデルが一人、戦おうとするのなら、その力になりたい。
ルイにはライラのような知略もなければ、アデルのような弓の腕もない。
力になりたいと願っても、役に立たないかもしれない。
それなら、それでも構わないから。
使えないなら、使えないと言ってくれて構わないから、この気持ちだけは伝えたかった。

(一人で何でも出来るような顔、しないで)

それはまるで、いらないと言われているようで苦しい。
もっと周りを頼ればいいのに。
巻き込むことを恐れて一人戦おうとするのなら、それはなんて不器用な優しさだろう。

「もっと私たちに頼ってもいいんです。でもそれをしないから余計に腹立たしくて……心配なんです」

怒っているようで、今にも泣きそうな顔をしてルイは笑った。
その痛々しさに、ライラの胸は締め付けられる。
ルイにそんな顔をさせられるアデルが憎くて、少しだけ羨ましかった。