「んー…………あっつい!!」
「そうだね……」
扇風機の前で暑いを連呼する男
俊太
「……あっつい!」
そんな彼といる私は
美鈴
「ねー…美鈴、どうして女の子達は俺を見て叫ぶんだろうか」
彼はカナリ、モテる
「カッコいいからじゃない?」
絵に書いたような美形のこの男
「でも、付き合ったら逃げて行っちゃった」
「………」
ただ…欠点がある
「ねぇ…何で?俺、何処がダメ?」
それは………
彼が異常であること
「…さあ…みんなの考えは私にはわからないから…」
だけど、本当のことは言わない
「そっか…そうだよね」
にっこりと笑う
だって…そんなことを言ってしまえば
私は確実に
「ねぇ美鈴……何考えてるの?」
殺されてしまう
「えっ……何も考えてないよ」
「ふーん……」
マズイ……目がやばい……
「美鈴は好きな人、いないの?」
「えっ…あ…うん…」
万が一いる、なんて言ってしまえば
100%の確率で死ぬ
現に、昔死にかけた
俊太が私に好意を抱いてくれていたことは知っていた
だけど、私は別に好きな人がいた
幼馴染である私達
何でも話あえた私達
俊太はいつから……
「……男のこと考えてんだろ」
あっ…
本当にヤバイ
危機感を感じ私は逃げようとドアに手をかけるが
開かない
ガチャガチャ
手が震える
バキッ
何かが壊れた
「何処へ行くの?」
振り向けば俊太が
にっこりと…目以外が笑っていた
恐怖で身体が動かない