おばさんの朗らかな声が飛び、なんとなしにあたし達もそっちを眺めた。

 ・・・・ら。

「神野、ここに居たのか」


 あたしは気を失いそうになって机に額を落とす。見事にゴンって音がして、おばさんが慌てて大丈夫かいと声をかけてきた。

 外の寒さや雪なんか殆ど影響がないみたいに普通に、いやむしろ肩についた雪が溶けて滴になっているのがキラキラと輝いてやたらと煌びやかに、稲葉さんが立っていた。

 超爽やかに。

―――――――何でここにいるの、セカンド。

 光があたしのコートを持ったままで支部長とあたしを交互に見る。支部長も、あたしの隣に立っている男が連れだと思ったらしく、交互に見た。

 あたしはぐったりと椅子に寄りかかって、その男二人を興味深げに見比べる店の夫婦を観察していた。

「・・・神野」

「・・・玉」

 二人の男がそれぞれを手のひらでさして、同時に言った。

「「彼氏?」」