その時、メールの返信が。


私は友人達から逃げるように視線を携帯に向けた。


“今からナレーションの仕事行ってくる!”


その短い文面だけでこんなにも胸が熱くなるのは、
愛しい人だからこそ。


すぐ隣で再び声優の話で盛り上がる友人達を尻目に、
私は相手にこう返した。



“いってらっしゃい、春さん”