「野球に興奮して!?」




誰もいない一階の待合室。


唯一、緑色の非常灯の明かりがぼんやりと照らされているだけだ。




「中継見ていたら、あまりにも興奮しちゃって血糖値が上がっちゃって。もう、ホント呆れちゃうわよね」




余裕の笑みを浮かべて笑う母親に、

今まで張り詰めていた糸がプツンと切れて一気に脱力感が全身を襲った。



「何だ…、そんなことだったの?ちょっと心配して損したかも」




はぁと深いため息が自然と出る。


いきなり倒れたって電話きたら、
最悪な事だって考えちゃうじゃない!



それがまさか、野球中継に興奮して倒れたって知ってたら、
わざわざこっちに来なかったのにーっ!