『ーーあ、彩か!?わりぃ、実はまだ駅に着いてねぇんだ!』



コールが鳴ってすぐ春樹さんが出てくれる。


しかしその声は何だか慌ただしい。




『事故があったみてぇで国道が動かねぇんだ。もう駅はすぐそこなんだけど…』

「わかりました。じゃ、駅のロータリーで待ってますね」

『ごめんな。間に合わなくて…』

「だーいじょうぶですって!私、ちゃんとイイ子で待ってますからっ」



申し訳なさそうに話す春樹さんに、
私はへへへっと笑いながら返す。




すぐ近くまで来てるならもうちょっとで会えるもん。

寂しくないもん。