十月にある剣道の県大会に、学校代表として出ることが決まっている。
しかしその練習は学校でも家でもやっているし、手を抜くような事だってしていない。
「まぁまぁ、お父さん。彩だって毎日練習頑張ってるんだし、連休は部活も無いんだからたまには…」
隣に座った母親が困った様子で私のフォローをしてくれる。
その言葉に父親の決意がほんの少しだけ緩む。
「息抜きも必要よね、彩」
ニッコリ笑って私に軽くウィンクする母親は、
間違いなく私の思惑を完全に読み取っているようだ。
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