一発目の花火を皮切りに、次々に上がる花火達。


皆思わず足を止めその美しさに見惚れている。


しかし春樹さんは休む事なく歩き、
群衆から離れた細い通路へ。


「春樹さん?」

「いいベストポジションあるんだ」


建物と建物の間をすり抜けた先にあったのは、
木々が生い茂る神社だった。


その長い階段を難なく上がり、誰もいない境内へ到着。

砂利道を少し歩いた先にあった長椅子に私を下ろすと、
見てごらんととある方向を指差した。