「下駄が…」


その不安げな私の言葉に春樹さんは足元を確認。

人混みの波を止めてしまう私達を察したのか、
歩けるか?とゆっくり手を引きながら、邪魔にならない道端へ誘導してくれた。


「鼻緒が切れちまったんだな」



私を椅子に座らせ、春樹さんがその場に腰を降ろしてじっくり見てくれる。



「…ホラ」

「え?///」

「おんぶしてやるよ」