開始時間が近づき、私達は会場へ向かう。 人混みは更に増して辺りは人間でごった返していた。 「すごい人ですね…」 毎年何十万人の人が来ることは知っていたが、 実際その現場にいるとその人の多さに圧倒してしまう。 「迷子になんないよう、しっかり握ってろよ?」 春樹さんはそう言って私の手をぎゅっと握り直してくれる。 「……////」 私も同様にぎゅっと握り直す。