「別に寂しわけじゃないけど?」

「じゃあやめなさい。」

「それじゃ沙織が相手してくれる?」

どうやら総司が沙織を持ち上げたようだ。

「ちょっ!降ろしなさい!!」

「おい、総司なにやってるんだ?」

原田の少し切れた声が聞こえてくる。

「やば、逃げなきゃね。」

そしてそのまま沙織を抱えて走り出したようだ。

「こら、総司待ちやがれ!!」

今日は総司の相手は原田に任せるとしよう。

するとそっと蝶が入ってきた。

「ごめんなさいね。うるさくて。」

苦笑いで謝ってくる。

「いや。うるせえくらいがちょうどいい」

そっと俺の横に桶を起置き手ぬぐいを絞り頭に乗せる。

「また、少しお熱があったみたいですね。」

「そうかもしれねえな。」

「汗をきっとかくと思うので後で別の手ぬぐいを持ってきますね。」

「ああ。すまねえな。」

「いえ、なんだか私たち本当の夫婦みたいですね。」

そう言って少し顔を赤らめる。

体が動いたら抱き寄せていたところだが

熱のせいか動かない。

「ちっ。こういうときに病人は不便だな。」

「え?」

「いや、なんでもない」