「あまり俺を待たせるな。
待つのは、得意じゃねぇんだよ」


……腕組みをした……五十嵐くんが立っているの!?


「今日初めて桜花に来たけど。
女子校ってところは、うるさすぎだろ」


数メートル距離を開けて、周りを取り囲んだものすごい数の女子にチラッと視線を走らせて……


五十嵐くんは、眉間にシワを寄せて、舌打ちをした。


あの……ね。


いつもは、こんなにもうるさくないんだよ?