この場から逃げたくて、ジリジリ後ろに下がり続けると……。


「無礼な女だ」


そう言う……安河内……ううん、玲央くんの厳しい声と、


「ま、極度の男ギライじゃ、仕方ないよね?
でも、まだ、逃げないで。
オレの自己紹介がすんでない」


ふわりと優しい声が重なり……ポスッと誰かに……抱きとめられた。


「ほらほら。
後ろ歩きなんて……危ないよ」