「えっと……。 おはよう……ござい……ます……」 こんな風にビクビクして、あたしの声が、最大級に震えちゃっているのは……。 車にドカッと座った五十嵐くんが、黒い空気をまとって、ソッポを向いているから。 今のあたしは、真っ黒の長~いリムジンさんの横に立って、中に乗る五十嵐くんに挨拶をしている状態。 あの後、階段をかけおりて、身支度を全て整えたあたしを待っていたのは、ズラリと並んだ車の列で。 その各車には、五十嵐くん、愛斗くん、天池くん、楓ちゃん、それから……かずくんが乗っていた。