架空の倉庫では殴り合う音が響いていた。


さすが№2とでも言っておこうか。


強い。


けど……。


「武器は卑怯だろう……」


誰にも聞こえないくらい小さい声でつぶやいた。


少し中を見回すと、櫂を発見した。


櫂!


後ろからきてるよ!


「バカッ!!」


考えるより先に体が動いた。


櫂はまったく気づいていない。


素早く櫂の後ろに回りこんで、相手の手が持っているナイフを蹴り飛ばした。