だれかの拳が私の脇腹にめり込む。


「う……っぁ!!」


しかし、攻撃はその一発だけだった。


掴まれていた手も私から一瞬で離れる。


少し歪んだ視界で見えたのは、鈴の背中だった。


「何ボサっとしてんだよ!

言っておくけど、これはゲームと一緒だかんな!
どっちが多く倒せるか勝負しようじゃねえか!」


鈴……。


これは、負けられないね。


「やってやろうじゃん!

……ありがとう」


ありがとうは聞こえたかどうか分からない。


鈴のおかげで疲れなんか吹っ飛んだ。


私は立ち上がり再び敵を倒し始める。


私と鈴はお互いの後ろを護り合う。