そこに参考資料として
《美優の日記》
が添付されていた。


精神医学に関しても
勉強してきた教授の目に
ありありと好奇心の色が浮かんだ


美優は堕胎手術を受けた後
何度も自殺未遂をした挙句
幼い娘を置いて亡くなっていた


驚いた事に
美優には夫がいなかった。

では何故家庭を持ったと
書いているのか?
そして、
週2回来るメールの相手は・・・?


にわかには理解し難かったが
察するに
分裂病状からの妄想と
自己否定型の錯乱による
現実逃避傾向が窺えた。


しかし、これ程に
自分の精神状態を把握し
世の中で置かれている立場を
分析できていたとするならば
単に狂っていたとは言い切れまい。