「うどん?」

「うん。消化いいものの方がいいと思ってさ」

「ありがと」


一口食べ、「美味しい」と久しぶりに笑顔が出た。

司も「よかった」と安堵の息を吐き出した。

一口一口ゆっくりと食べた。

前日から何も食べていなかったから、2日ぶりの食事。

胃を驚かせないためにもしっかりと噛んで食べた。


30分ほどかけて全部を食べ終えた。

器を司が受け取ってくれる。


「ありがと。美味しかった」

「うん、よかった。薬も飲もうか。水持ってくるね」


司は再びキッチンに向かい、コップに水を入れて持ってきてくれた。

それを受け取ってベッドの横に置いていた市販の風邪薬を飲んだ。


「さ、寝て寝て」

「うん、本当にありがとうね」

「気にしないでいいよ。早く治しなね」

「うん、おやすみ」


そういうやり取りをして、目を閉じた。

電気を消してくれ、部屋が暗くなったことが分かった。

そのままゆっくりと意識を手放した。