「伊織・・・・・。」

「あ!総悟!これからは友達としてまたよろしくね!!」


私はわざと明るい声で、笑顔で言った。


「あぁ、よろしくな。」

「私、新しく好きな人できたから、もう大丈夫!」

「だれだよ?!」

「アニメに出てくるシュンくん!!!!」


総悟に会えない春休み、私のオタク度は更に上がった。

シュンくんを思うだけで、総悟を忘れて前向きな気持ちになった。

しばらく、現実とはさようなら。

そしてこんにちは、2次元。



帰りも中学の時の先輩とかを混ぜて一緒に帰った。

先輩はやさしいし、先生は厳しいけど面白いし、

同級生はいろいろ気を使ってくれるし、

何より総悟と冗談を言い合える位仲良くなれたこと

嬉しくて、楽しくて、部活はほんとたのしかった。


クラスの友達にも恵まれ、

愛望(まなみ)とは1年2年とずっと一緒にいた。


総悟は高2の秋頃、やっと梨嘉さんのことを

好きになり始めたと言っていた。

少し複雑だったけど、総悟には幸せになってほしい。


そのためには、私の恋心は隠さなきゃいけない。

とずっと隠してきたけど、やっぱり私は総悟が大好きだ。


総悟の腕の中で抑えきれない思いが爆発した。