「今日もお疲れさん。これやるよ。」

気まずい空気を変えたのは、総悟のこの一言だった。

「ありがと・・」

総悟が差し出してくれたのは肉まんだった。

みんなと一緒にコンビニに行ったのに私のために戻ってきてくれる。

総悟はなんだかんだ言って優しい。優男だ。


その肉まんを食べると不意に涙が溢れ出した。

こんなの私じゃない。でも人間恋をすると変わるんです。

2年前別れてまだ引きずってる私の大好きな人。

それは目の前にいるこの男、斉藤総悟なのです。

総悟の何気ない優しさに触れる度、私は感情を抑えられなくなる。

あぁ、きっと2次元不足なのだろう。


「伊織!?大丈夫か??」

私の顔を覗き込む総悟。

身長176cmの総悟と160cmの私。

身長も顔も声も、私だけだった総悟から変わってしまった。


「総悟~~。私まだ総悟が好きだよ。」