これまた籠もった空気の所為で熱くなった椅子に身体を置き、事務所に来る前に頼んでいたコーヒーの到着を待つ。



椅子に凭れた身体はリラックスしていたが、心中は余り穏やかな気分になれていない。



今日でなんでも屋を休業にしようと、事務所に来る道すがらで決断していた。



事務所は引き払わず、今まで通り此処を活動の拠点とするのも変わらない。



今日事務所を出る時に、ドアの所にはCLOSEの看板を掛けていこうと決めている。



次にOPENの看板を掛けるのは、マコの件が片付いた時…。



それは俺の中で一つの決意だった。



依頼者不在。報奨金無しの、完全なる俺の身勝手だが、マコの件を片手間で終わらせようという考えは、俺の中に浮かばない。