おんぼろエレベーターに身体を揺すぶられながら、七階の事務所へ向かって地上から離れていく。



右手で遊ばせていたキーリングの中から、事務所の鍵をチョイスして右に一回転させる。



窓を閉め切っていた所為で、どんよりと澱んだような暑い空気が身体を包んだ。



ブラインドの隙間から差し込む光の帯が、幾層にも重なって事務所内の温度を上げていく。



日差しの強さからブラインドは上げずに、平行になるように調節して窓を開ける。



入ってくるのは太陽に熱せられた温風だが、それでも開けないままよりは幾分マシな空間になった。