「…あの、私でも練習すれば踊れるようになりますか?」



漸く言えた一葉の顔は、ケイからの返事を待つ間ずっと強ばっていて、その思いの強さが伺えた。



「誰でも踊れるようになれるから大丈夫よ。新メンバーは大歓迎だから、気にしないで声をかけてくれれば良かったのに。」



華の蕾が開いた瞬間のような一葉の笑顔は、マコの死から随分と見ていなかったような気がした。



ケイは、奏のクラブ[four-rose]のバックダンサーを務める、[FRG]の代表。最後のGはガールズの意味。



[FRG]は、普段の大胆なレゲエから、大味のブレイキンまでをこなす、実力派のダンサー集団。