奈々海はあたしたちのこと、応援してくれてたんだよね…。
「ありがとね!奈々海!」
やっぱり奈々海はあたしにとって最高の親友だ!
頼りっぱなしだけど、あたしのことわかってくれるのは奈々海しかいないかも。
お母さんの次くらいかな。
「何言ってるの?
りんかが頑張ったからでしょっ?」
奈々海はあたしを優しく抱きしめてくれた。
これをやられると涙腺が緩んじゃう…
「もー、泣かないでよー」
そう言いながらもあたしの背中をさすってくれる。
やっぱり、奈々海といると落ち着く…
「涼~。奈々海にりんちゃん取られてるぞー」
クラスの男子がわざと大きい声で叫ぶ。
「涼に泣かされたんだな~」
全く、面白いクラスだこと。
その日はクラスの人からも、他のクラスの人からも冷やかされた。
嬉しいような照れくさいような…
初めて彼氏ができたあたしは、どんな反応をしたらいいのかわからない。
涼は結構余裕そう…
ニコニコして色んな人と楽しそうに話している。
相手が男子でも女子でも楽しそうに…
涼が女子と話してるのは見ると胸が痛い。
何なんだろ…
「ヤキモチだね」
「奈々海!」
まるであたしの心の声が聞こえてたみたいだった。
「女子と話してるの見ると苦しいんでしょ?
それはね、ヤキモチだよ。」
ヤキモチ…かぁ。
「あたし、ヤキモチ焼いてるのかあ。」
自分の気持ちすらわかってなかった。
というか、いままでヤキモチ焼いたことないし…
ヤキモチって、こういう気持ちなんだな。
「涼!
りんかがヤキモチ焼いてるから程ほどに!!!」
奈々海はいきなり大きい声を出す。
「ちょっと、奈々海!!!
恥ずかしいから大きい声で言わないでよお…」
涼は慌ててあたしのところに戻ってきた。
「りんかー?
ゴメンなー?」
「いやいや…
あたしそんな…」
ヤキモチ焼いてなんかないよ、って言おうとしてたのに。
奈々海の手はあたしの口を抑えた。
「この子、自分の気持ちわかってないだけだよ!」