「何だって?」
昼休み――目の前で昼食をとっていた川瀬が眉間にしわを寄せた。
「…だから先輩の機嫌が悪いんだよ。」
「先輩って、あの佐崎先輩だろ?へぇ…あんな温厚な人でも怒るんだ。」
「怒るって言うか…」
まぁ怒っているんだろうな。
「原因は?」
「さぁ?」
「まーた分かんねえのかよ!」
「佐崎先輩はいつも突然だから」
そうなのだ。
原因は全くの不明。
この前までは上機嫌だったのに。
それなのに、あの佐崎先輩が実験をしている時さえも不機嫌な顔をしていた。
「…男心は難しい。」
「おめーも男だ!」
川瀬の突っ込みと同時に昼休みは終了した。
さて、放課後はどうしたものか……。