言葉を切ると、先輩は顔を上げる。
そのまま唇へキスを一つ。



「あまり宮塚と仲良くしないでくださいね。俺、嫉妬深いんで。油断すると先輩なら簡単に食われちゃいますよ。」
「食わ……早坂くん、僕も一応男なんだけど」
「知ってますよ。知ってて言ってるんです。本当気をつけて下さいね。」



あまり納得がいかないようだったけど、小さく頷いてくれた。


「宮塚くんは大丈夫だと思うけどな。」
「そういう油断がダメなんです。」
「そういうもん?わかった、気をつける。で、部活終わりにしてきたんだけど…一緒に帰らない?」
「よろこんで」




夕暮れの空の下、俺は幸福を噛みしめながら先輩の隣を歩いていた。