「佐崎先輩、もういいんじゃないっすかね?」


せっかくの良い空気を宮塚は無遠慮にぶち壊す。


「うん、いいかも。」


先輩も先輩で切り替え早いし……。



この人、本当に俺のこと好きなんだよな?



前と変わらないどころか、前より触れ合えてない。



あー…
なんか俺ダメだな。


「あれ?早坂くん?」



俺は鞄を持ってノロノロと立ち上がった。



「今日はもう帰ります。」
「え?なんで?」
「ちょっと…体調が優れないので…」



このままここにいたら黒い感情が……。



「だ、大丈夫?」
「平気です。それじゃ」



宮塚とも目があったが何も言わず、化学室を出た。