腰を抱き寄せて、密着する肌。
伝わる体温は高い。
「体温高いですね。…緊張してるんですか?体、強ばってますけど」
「それは…その……当たり前じゃないか。早坂くん相手なんだし……」
視線を合わせられないのか、目が泳いでいる。
この人は…
本当どこまで可愛きゃ気が済むんだ。
「本当なら、今この場で先輩をめちゃくちゃにしたいんですが」
そこで俺は隣の部屋へ通じるドアへ視線を向ける。
「どうやら準備室の方で聞き耳を立てている方がいらっしゃるようなので、今日は」
もう一度先輩に向き直り、キスをした。
「ん…」
「これで我慢しておきます。先輩が乱れる姿は俺だけが知っていればいいですから。その代わり、次は覚悟しておいてくださいね。」
指先で先輩の唇をなぞる。
「――っ……」
佐崎先輩は真っ赤になって、ゆっくり頷いた。