『いいんじゃないか?別に。てか、佐崎はきっとその後輩が好きなんだよ。恋愛対象としてな。』
『恋愛……対象……。ま、まさか!そんな事ある訳ないじゃないですか!!し、失礼します!!』
あーあ、あんなに顔赤くしちゃって……。
まるで小動物だな。
――――――――――
「って訳よ。」
話し終えた志原は肩を竦めた。
「てっきり、もうくっついたのかと思ってよ。勘違いだったみたいだな、悪い。」
佐崎先輩が俺のことを知りたい。
佐崎先輩が俺と仲良くなりたい。
「…勘違いなんかじゃないですよ。これから現実になりますから。」
「早坂、その笑い怖ぇーぞ。」
志原は付け足して、佐崎は化学室だと隣を指さした。
「志原先生、たまには顧問らしいことしますね。見直しました。」
「はいはい。俺は用があるから、あとはごゆっくり。」
両手を挙げて降参だ、と言ったポーズをとった。
それを横に見ながら、俺は準備室を出た。