「で、何なんですか?」
「早坂、お前……すげーな!!」


俺の両肩に手を乗せ、関心した眼差しを向けてくる。


なにを言われてるのか分からない以上、ひたすら首を傾げるしかない。



「まさかあのド天然を…いや、マジですげーよ。」
「は?何言ってんですか?」



今度は志原が首を傾げる番だった。


「え?だってお前…あの佐崎を口説き落としたんじゃ――?」
「………嫌みですか?」
「いやいや、まさか。大真面目。」
「口説き落とすどころか、一週間まともに会話してませんよ。」


志原は眉間にしわを寄せた。



「変だな……。佐崎の後輩って言ったら早坂ぐらいだと思ったのに……」
「どういう事です?」
「え、ああ……いや何でもない。」


今、明らかに何かを隠した。