結局原因が分かるわけもなく、大人しく下校しようとしたところ。


「早坂!ちょーっと待った!」

志原に呼び止められた。


「志原先生……。何の用ですか?俺、ものすごく機嫌悪――」

言い終える前に志原は俺の腕を引っ張り、歩き出した。


「ちょっと来い!」
「いきなり何するんですか?」

事態が把握できないまま、ただ腕を引かれ歩く。


どこに行くのか、は聞かなくても分かる。


案の定、化学準備室だった。