「俺には避けられる原因がない。」
「早坂の邪(ヨコシマ)な心がバレたんじゃねーの?」


にやにや笑う川瀬を横目で睨む。


「何のことだ?」
「何のことでしょー?」



俺が先輩を好きだという事は言っていない。
まぁ、川瀬は知ってるだろうがな。

志原と同じタイプの人間だな。


っと、川瀬の事は置いといて。


やっぱり佐崎先輩に避けられるようになったのは、あの日から……。


特に何かしたとは思えないんだが……。


食事が気に食わなかった?
いや、楽しそうにしていた。



「……全然原因が分からん。」
「だーから、早坂の邪な心が――」
「黙ってろ。」


持っていたパンを餌代わりに渡し、俺は昼休みの間ずっと頭を抱えていた。