あの参考書選びに行った日から、佐崎先輩の様子がおかしくなった。
昼休み、佐崎先輩が俺のクラスに顔を出した。
最初は喜んだものだが、実は今日で5日連続だったりする。
今日もか……とため息混じりで、先輩の元に歩み寄る。
「…またですか?」
「ごめん、今日はちょっと用事があって。部活は休みと言うことに……」
「今日はって…一週間ずっとじゃないですか?」
「本当にごめんね!」
「あ!ちょっ……」
俺の制止する声も聞かず、先輩は走り去ってしまった。
先輩がおかしい、と言うか避けられてる…?
「ふっ……まさか、そんな」
「あーあ、避けられてんな。」
俺の心の不安をはっきり口にする者が、隣に笑顔で立っていた。
「……川瀬、笑えない冗談はやめろ。」
「え?だって一週間ずっとじゃん?こりゃ絶対避けられてるって」
コイツは…
人の不幸を楽しそうに笑いやがって。