「興味があったからです。化学にはどんな魅力があるのか。知りたい、と佐崎先輩をみて思ったんですよ。」
「僕を見て?」
「先輩は知らないでしょうが、入部前に一度先輩を見たんです。化学室で一人で居るところを。」



見られてたんだ……。


「何かの実験をしていて、その顔は真剣で……。でも最後は本当に楽しそうに笑っていたんです。」



早坂くんが言い終わると同時に、料理が運ばれてきた。



「食べましょう。」
「うん」



知らなかったことが顔を出す。


もっと、もっと…


早坂くんを知りたい。