早坂くんは僕を見て、少し笑って、
「悩んでいたんですよね?半分ずつ食べましょう。」
って言った。
きっと女の子は、こういうのに弱いんだろうな。
さりげない優しさ?
意地悪な所もあるけど、やっぱり早坂くんは優しいと思うんだ。
「早坂くんはモテるでしょ?」
「……何ですか、急に。」
「何となく、そう思っただけ。」
「モテないですよ。先輩の方がモテるんじゃないですか?」
「僕?僕は全然だよ。それどころか友達も少ないから。」
水を一口飲みながら、ちらっと早坂くんを見る。
心なしか口元が笑っていた。
「前から聞いてみたかったんだけど……。早坂くんは、どうして部活に入ってくれたの?」