――土曜日、駅前。
もう来てる……。
僕も早めに来たつもりだったんだけど、早坂くんはもっと早かった。
紺と白を基調とした私服。
なんか早坂くん……
モデルみたい。
離れてても見つけられる、
目を引く容姿。
ああいうのも才能の一つなんだろうなぁ。
って考えてる場合じゃない。
「早坂くん」
「おはようございます、先輩。」
「早いね。僕も早く来たつもりだったんだけど…待たせちゃったかな?」
「そんな事ないですよ。」
早坂くんが僕を一瞥して、ふっと笑った。
「今日はワックスつけてないんですね。」
「え?あ、うん。ちょっと朝慌てたから」
「そうですか。それじゃあ行きましょう。」